酸と細菌は歯の天敵です。
食事をすると誰でも口の中は酸性になりますが、これをこのままにしておくと歯の石灰化している構造(アパ
タイト構造)が弱くなります。石灰分が取られて「脱灰」し始めるからです。
これは早く元に戻さないといけませんがこの働きをするのが「唾液」です。唾液には酸性を「中和」する作用が
有ります。歯の表面を中和している間に、唾液は更に脱灰した組織を「再石灰化」するので、お蔭で歯は虫歯か
ら助けられています。
食事をすると口の中は誰でも酸性になります。然し食後1時間前後で口腔内は中和状態になり始めます。
口の中を出来るだけ酸性状態のままにしておかないで中和している時間を長くするのが虫歯対策の第一歩と言え
るでしょう。
1日3度の食事による酸性タイムを唾液の力で中和するので、その中和タイムを長くすることが基本中の基本に
なります。中和していると、脱灰した歯の組織は「再石灰化」してまた元の状態に戻ります。ごく軽い虫歯状態
は自然治癒します。中和タイムは再石灰化タイムであり、虫歯自然治癒タイムに繋がります。この天然の防禦シ
ステムを使わない手はありません。
正しいブラッシングの使い方は。
効果的で合理的な方法はこれとは全く真逆です。
1,ブラシの「圧」はソフトな力で十分です。
その代わり20~30回くらい、当てた所をこまめに往復運動します。
一度に充てるのは2~3歯くらいです。歯を2~3歯くらいのグループに分けてそれぞれのグループを別々に
清掃します。
したがってブラシを動かすストロークは小まめになります。
2,ブラシを「当てるべきところ」は、歯と歯肉の境、歯茎です。殊にここを抑える事が歯周病予防の基本で
す。
また、ブラシを使うだけでは足りないのです。歯と隣の歯との間は細菌の格好の隠れ場所、温床、繁殖地です
からここもきれいに掃き清めなければなりません。この「歯間部」に巣食う細菌はブラシではまず取れませ
ん。やはりそれ専用の「歯間ブラシ」、あるいは「デンタルフロス」という糸をうまく使いましょう。
3,ブラシを充てる「時間」、歯間ブラシを充てる「時間」はマメにすればそれなりの時間がかかります。しか
し鏡と相談しながら工夫して自分なりのうまい方法を見つけて身に着けましょう。そうすれば無意識でも効果
的な方法で除菌できるようになります。そうなれば新聞などを読みながらでも口腔清掃が出来るようになりま
す。
ただ、歯間ブラシやデンタルフロスを使うのは大変でしたら、夜寝る前でも、一日少なくとも一度だけでも歯
間清掃を心がけましょう。
これをしないと気持ち悪い、というセンスが大切です。